IPXとは?防水性能を実現するセキスイの技術

耐衝撃性の基礎知識と評価方法を解説。電子デバイスを支えるセキスイの材料技術をご紹介します。

スマートフォンや電子デバイスの仕様表で見かける「IPX」。
IPX等級は完成品の防水性能を示す指標ですが、その性能を実現するためには構造設計だけでなく、材料選定も重要です。
特に近年の電子機器は小型化、薄型化が進むなか、限られたスペースの中で高い防水性能を実現することが求められています。
本記事では、IPX等級の概要と、防水性能を支えるセキスイの材料ソリューションをご紹介します。

IPXとは?

IPXとは、IPコード(International Protection)と呼ばれる保護等級の一種で、防水性能を示しています。
IPXの後ろに続く数字は防水性能の等級を表しており、数字が大きいほどより厳しい条件での防水性能を有することを意味します。

IPX等級の違い

IPX等級は、防水性能の試験条件に応じて0~8に分類されています。
各等級の表す防水性能は下記の通りです。

IPX0 保護されていない
IPX1 垂直に落下する水滴から保護
IPX2 15°傾けた状態での落下水滴から保護
IPX3 散水から保護
IPX4 あらゆる方向からの飛まつ水から保護
IPX5 あらゆる方向からの噴流水から保護
IPX6 あらゆる方向からの強い噴流水から保護
IPX7 一時的な浸水から保護
IPX8 継続的な浸水から保護

一般的に、IPX1~4は水滴や飛まつ、IPX5~6は噴流水、IPX7~8は水浸水に対する保護性能を示します。
防水性能は使用環境に応じて選定することが重要です。必ずしも最高等級が必要になるとは限らず、想定される使用シーンに適した等級を選ぶことが求められます。

また試験は基本的に常温の真水で行われているため、温水・塩素水・海水などに対する性能は保証されていないケースが基本です。そのため、そのような環境での使用を想定する場合は、別途評価が必要になる場合があります。

防水性能を実現するセキスイのソリューション

こうした防水性能はどのような材料によって実現されているのでしょうか。

電子機器の防水設計では、外部からの水の侵入を防ぐ「一次防水」と、万が一水が浸入した場合に重要部品を保護する「二次防水」を組み合わせることで、高い防水性能を実現します。

セキスイでは、一次防水に使用されるフォームテープや接着剤、二次防水に使用される独立気泡フォームなど、防水設計を支えるさまざまな材料をラインアップしています。

防水性能を実現するセキスイのソリューション

ここからは、独立気泡構造による高い防水性を特徴とする「薄物高機能フォームXLIM™」、防水性に加えて衝撃吸収性も兼ね備えた「防水・衝撃吸収フォームテープ 5200シリーズ」、さらにウェアラブルデバイスなどで求められる耐汗性・耐薬品性にも配慮した「UV+湿気硬化型柔軟接着剤 フォトレック™B」をご紹介します。

防水性能を支えるセキスイの“独立気泡”

「薄物高機能フォームXLIM™」のベースとなる架橋ポリオレフィンフォームの内部は、独自の技術により気泡が連続していない「独立気泡構造」を採用しています。
そのため水や熱などを通しにくく、高い防水性能が実現できます。

また、独立気泡構造は吸水しにくいことも特長です。実際の製品断面と吸水率を、一般的なウレタンフォームと比較したものが次の図です。

材料 吸水率 気泡断面図
XLIM™ WL05 0.01以下 気泡断面図
ウレタンフォーム 0.5t 14.9 気泡断面図

水を通しにくい素材であるため、厚みが薄くても防水性能が高いこともポイントです。限られたスペースで高い防水性能が求められる小型・薄型機器にも適しています。

片面固定でIPX5相当、両面固定でIPX8を実現!

「薄物高機能フォーム XLIM™」は、柔軟性に優れており、部品間の段差や反りに追従します。そのため段差や反りなどによって生じる隙間を減らし、水の侵入経路を抑制することができます。

片面固定でIPX5相当、両面固定でIPX8を実現!

XLIM™の独立気泡フォームで実現できる防水性能は、
・片面粘着でIPX5日常防水相当
・両面粘着でIPX8相当
になります。

IPX8相当を実現する防水/衝撃吸収フォームテープ

セキスイの「防水/衝撃吸収フォームテープ 5200シリーズ」は、独立気泡フォームと粘着剤を組み合わせることで、高い防水性と固定性を両立しています。
フォームが段差や反りに追従し、隙間の発生を抑制することに加え、高い凝集力を持つ粘着剤が被着体へしっかり密着することで、水の侵入を抑制します。

また、フォームテープ5200シリーズの粘着剤の特長は、防水に耐える高い強度を持ちながら、タック性も維持している点です。一般的に、防水性を高めるためには粘着剤を硬く設計する必要がありますが、その場合はタック性が失われてしまい、作業性が悪化します。セキスイの粘着配合技術ではそれらを両立しており、高防水性と優れた作業性を実現しています。

セキスイのフォームテープ5200シリーズは、IPX8相当の防水性能と衝撃吸収性を兼ね備えており、スマートフォンなどの電子機器における防水・保護用途に活用されています。

耐汗・耐薬品性も両立する接着剤「フォトレック™B」

セキスイの「UV+湿気硬化型柔軟接着剤 フォトレック™B」は、柔軟性と接着性を兼ね備えた接着剤です。部材同士を接着すると同時に、水の侵入を抑制し、防水性能の向上に貢献します。

一般的な接着剤で防水固定する場合、接着剤は液状のため厚みの担保や管理が難しいです。そのため、接着剤が十分に隙間を埋められない箇所が発生することで、漏水の原因となる場合があります。
フォトレック™Bは、貼付け前にUV照射を行うことで半硬化(Bステージ)状態にできるため、接着剤でありながら厚みを担保しやすく、安定した防水性能を発揮します。
実際の防水評価では、PC同士の接着だけでなく、PCとガラス、PCとアルミニウムといった異種材料の接着においてもIPX8レベルの防水性能を確認しています。

また、特にウェアラブルデバイスにおいては、防水性能の他に、耐汗や耐薬品性も必要とされます。セキスイの「UV+湿気硬化型柔軟接着剤 フォトレック™B」は、耐汗性・耐薬品性にも優れており、ウェアラブルデバイスなど高い信頼性が求められる用途に適しています。

製品についてのお問い合わせ

小型化・薄型化するデバイス業界だからこそ、セキスイの技術が活躍するシーンは多くあります。限られたスペースで高い防水性能を実現するために、ぜひセキスイ製品をご活用ください。
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