耐衝撃性とは?電子デバイスを支えるセキスイの技術
2026-09-10
耐衝撃性の基礎知識と評価方法を解説。電子デバイスを支えるセキスイの材料技術をご紹介します。
現代の生活を支える、スマートフォン・パソコンをはじめとする電子デバイス。
近年ではウェアラブルデバイスなど、新たな市場も拡大しています。
今回は、進化が止まらない電子デバイスを支えるセキスイの衝撃吸収技術についてご紹介。製品の特長や利用シーンと合わせてご確認いただけます。
目次
耐衝撃性とは
各種の電子デバイスの内部には、ICチップを始めとする精密部品が使用されています。それらの部品は大変繊細なため、使用時に破損しないようにすることが必要です。
「耐衝撃性」は、落下などの衝撃から製品を守るための指標のひとつ。
耐衝撃性には、大きく分けて二つの観点があります。
一つは内部に加わる衝撃を吸収する方法(応力緩和)、もう一つは外部からの衝撃を受けても部材同士が剥がれないようにする方法(剥がれにくさ)です。
セキスイの製品では、『薄物高機能フォーム XLIM™』が応力緩和に、『防水/衝撃吸収フォームテープ』と『UV+湿気硬化型柔軟接着剤 フォトレック™B』が剥がれにくさに特長があります。
耐衝撃性の評価方法例
応力緩和を計測する試験では、フォームを貼りつけたガラスに重りを落下させ、損傷の有無を確認しました。

フォームなしのガラスにはヒビが入っているのに対し、フォームを貼りつけたガラスには、変化がありません。
剥がれにくさを評価する試験では、テープで貼りつけた被着体に重りを落下させ、剥離が発生する落下高さを測定しています。

どちらも与えられた衝撃に対して、どれくらい耐えられるかという試験です。
耐衝撃性を支えるセキスイの技術
電子デバイスにとって、想定される主な衝撃は落下を指します。
スマートフォンを落としたことがない…という方は少ない事でしょう。
落とした後、デバイスの調子が悪くなった…という経験も、お持ちの方が多いのではないでしょうか。
一般的に、耐衝撃性を高めるには外装を頑丈にする方法が考えられます。しかし近年は、デバイスの小型化が進み、衝撃対策に十分なスペースを割くことが難しくなっています。そこで求められるのが、限られたスペースで高い耐衝撃性能を実現する技術です。
ここからは、具体的に製品ごとの特長と、採用例をご紹介していきます。
0.03mmの厚みでも衝撃を吸収する極薄発泡体『薄物高機能フォーム XLIM™』
XLIM™は、極薄の発泡体シート。
機械の内部にある隙間を埋めることで、耐衝撃性を改善します。
薄くてもしっかり衝撃を吸収できるのは、セキスイ独自の発泡技術のおかげです。
独立気泡構造ならではの柔軟性と衝撃吸収性
セキスイの発泡体(フォーム)は、内部の気泡が一つ一つ独立した構造になっています。

気泡が独立することで、薄さと柔軟性・衝撃吸収性の両立が可能となりました。
また気泡同士が繋がっていないため、空気・水・熱・薬品・電気などを通しにくいという特長があります。


XLIM™は、スマートフォンやPC・スピーカーなど、幅広い製品の部材保護に採用いただいています。
用途に合わせた加工が可能
XLIM™はシンプルなシート形状の製品のため、用途に合わせて加工いただくことが可能です。
リワークなどを想定した片面固定など、接着・両面テープにはできない加工もお任せください。
使いやすいテープタイプ『防水/衝撃吸収フォームテープ 5200シリーズ』
フォームテープ 5200シリーズは、先述の発泡体の両面に粘着剤が付いたテープタイプの製品です。独立気泡の性能を活用し、耐衝撃性・耐水・防塵などの機能付与に貢献します。
最近では、主にデバイスの外装部の耐衝撃性向上に使用されています。
粘着剤・基材により複数の製品がありますので、利用シーンに合わせてお選びください。
1mm、2mm幅でもしっかり衝撃を吸収
基材に使用しているフォームは、XLIM™と同じく独立気泡構造の発泡体。
実際に、1mm幅、2mm幅の製品で耐落下衝撃性の試験を行ったものが以下になります。
評価方法
1. テープを打ち抜き(3inch、2mm幅と1mm幅)、穴あきPC板にテープを貼ります。
2. テープの上にPC板を載せ、5kg、10secで圧着します。
3. 常温で一日放置後、重りを落下させ、PC板がはがれた高さを測定します。


セキスイのフォームテープは、細幅でもしっかり衝撃を吸収することができます。
スマートフォンの画面縁など、固定スペースが限られている場合でも安心です。
高い粘着性で剥がれを抑制
フォームテープ 5200シリーズは、高い粘着性も特長。
初期タックの良さなど、ご希望に合わせてお選びいただけるバリエーションをご用意しています。
評価方法
1. 穴あきPC板に評価テープを貼ります。
2. テープの上に各種被着体を載せ、5kg、10secで圧着します。
3. 常温で一日放置後、図のようにPC板に空いた穴から荷重をかけていき、被着体板から外れたときの荷重を比較します。


PCの他にも、SUS・ガラスなどの被着体にもしっかり貼りつきます。
幅広いテープ製品を開発してきたセキスイにお任せください。
高温・低温の環境にも対応
高温・低温の環境下で使用されるデバイスの場合、温度変化に対応できるかというのもポイントです。
フォームテープ 5200シリーズは、それぞれ高温・低温環境に対応した製品をご用意しております。
温度変化が気になる環境下でも、安心してお使いいただけます。
0.5mm以下の幅でも接着を可能にする『UV+湿気硬化型柔軟接着剤 フォトレック™B』
テープよりさらに省スペースでこれらの性能を実現するのが、UV+湿気硬化型柔軟接着剤のフォトレック™B。
接着剤=液だれがあるから細いスペースには使用できない…そんな先入観をお持ちの方もいるかもしれません。
なぜフォトレック™Bが超細幅で使用できるのか、硬化方法についてご説明します。
UV+湿気硬化による高精度な接着
フォトレック™Bは、製品に塗布後、UVを照射により仮固定が可能です。
そのため液だれがなく、細い幅での製品固定が実現できるのです。
また従来の接着剤は、塗布前に加熱が必要なものが主流でした。
フォトレック™Bは、常温塗布が可能なため、加熱設備も不要になります。

細幅接着と高い耐衝撃性を両立
フォトレック™Bは、超細幅での接着が可能なだけでなく、高い耐衝撃性も備えています。
落下衝撃試験では、接着した部材に繰り返し衝撃を加え、接着部の耐久性を評価しました。その結果、高い接着信頼性を確認しています。


接着剤だから3D曲面や非直線にも対応
現在精密部品の固定方法として、多く使用されているのが両面テープ。
しかし両面テープの場合、固定する箇所は基本的に直線です。
また部分的な固定も、作業工数が増えるため難しくなります。
フォトレック™Bは接着剤のため、直線以外のレイアウトにも柔軟に対応。
曲面同士の接着など、両面テープでは対応が難しいシーンにおすすめです。

また硬化後も柔軟性は保持したままのため、部材の反りなどにも追従できます。

実際に、新型のフォルダブルスマートフォンなどでご採用いただいております。