- モビリティ
- エレクトロニクス

半導体ウエハのダメージ防止
半導体ウエハの製造では、研磨工程でウエハをしっかり固定する必要があり、固定材をはがすときに高価なウエハにダメージを与えるリスクがあります。

高接着・易剥離のUV剥離テープ
「SELFA」とは高い接着性と剥離しやすさを両立させたUV剥離テープです。
UV照射によりテープと被着体間にガスが発生し、密着力をゼロにして簡単に剥がすことが出来、薄く研磨されたウェハ等でもダメージ無く加工することが可能になります。
耐熱性に優れた片面「SELFA HS」、耐熱テンポラリーボンディング材の「SELFAHW」、耐薬品性に優れた「SELFA MP」など幅広いラインナップから最適な品番を提案させて頂きます。

技術情報

技術概要
高耐熱
220℃×2時間の耐熱性を担保
低残渣性にも優れている
リフロー、アニール、スパッタリング等の工程で使用実績あり

耐薬品性
多種多様な薬剤に対する適応性あり
無電解メッキ、粗化処理、レジスト露光/現像、 薬液洗浄等

ガス剥離
積水の独自技術である“ガス剥離”は
被着体からの易剥離性を実現
ガラスやウエハ等のセンシティブな
被着体からの剥離実績あり

取り扱い性良し
テープタイプのため、他社仮固定材と
比較してハンドリング性良好。
加えて品質や価格面でもメリット多数

技術詳細
高耐熱220℃×2時間、260℃×5分の耐熱性を有し、更なる耐熱性向上を目指している。

高温処理時でも、残渣なし

耐薬品性あらゆる薬剤に対する適応性
アイテム | 溶剤 | 温度(℃) | 処理時間 (秒) | 重量減 (wt%) |
---|---|---|---|---|
1 | テトラヒドロフルフリルアルコール 75-100% | 60 | 420 | ≤1 |
2 | NMP | 50 | 3000 | ≤1 |
3 | KOH 1% | 25 | 90 | ≤1 |
4 | CuSO4 18% | 4200 | ≤1 | |
5 | H2SO4 5-10% | 4200 | ≤1 | |
6 | HCI 6% | 4200 | ≤1 | |
7 | 酢酸 10% | 60 | ≤1 | |
8 | HF 0.5% | 900 | ≤1 | |
9 | NH4OH 30% | 900 | ≤1 | |
10 | PGME | 900 | ≤1 | |
11 | PGMEA | 900 | ≤1 | |
12 | TMAH 2.38% | 7200 | ≤1 | |
13 | IPA | 900 | ≤1 | |
14 | C6H8O7 5% | 900 | ≤1 | |
15 | H2O2 30% | 900 | ≤1 | |
16 | KOH 5% | 900 | ≤1 | |
17 | DMSO | 900 | ≤1 |
ガス剥離 ガス剥離により、被着体に優しく易剥離が可能

UV反応挙動
UV reaction of SELFA
取り扱い性良し
- 特殊な表面形状の被着体にも対応可能
(e.g. MEMS, ubump, Taiko™ wafer, etc.) - 簡易なプロセス制御により
良好なTTV性能を実現 - 製造プロセスがシンプルなため、
他の仮固定材技術に比べて、
コストパフォーマンスが高い
(e.g. laser debond).
Wafer TTV after BG
Mapping | ![]() |
---|---|
Histogram | ![]() |
THK | 24.9 um |
TTV | 2.8 um |
両面耐熱 SELFA™ HWシリーズ
特性:
- 耐熱性
- 耐薬品性
- 低残渣
- 軽剥離
テープ式ガラスサポートによりハンドリング性向上を実現します。
ガス発生によりダメージレス剥離が可能です。耐熱性、耐薬品性に優れています。

プロセス
-
ラミネート -
ボンディング -
UV照射 -
BG
-
熱処理 -
DCテープ -
UV照射/DB -
テープ剥離
評価結果
Ⅰ.ミラーウェハBG後のTTV評価
測定方法
TTVマッピング結果
【平均】 厚み:24.4μm/ TTV:2.9μm
n=1 | n=2 | n=3 | n=4 | n=5 |
---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
Thk:25.1μm TTV:3.4μm |
Thk:24.5μm TTV:2.8μm |
Thk:24.7μm TTV:2.9μm |
Thk:24.3μm TTV:2.7μm |
Thk:23.4μm TTV:2.9μm |
- 当社独自の「Pre UV技術」で業界最高のTTV制御性を提供します。
- <3μm@12” ウェハ
Ⅱ.熱処理後の残渣評価 <オーブンによる剥離テスト>
チェックポイント:
- 耐熱性
- 機器および条件
-
- メーカー:ETAC
- モデル:CSO-603BF
- 温度:180〜220°C
- 時間:1〜2時間
- ウェハ・サンプル
-
8inch Bump TEG Wafer
実験結果
180°C | 200°C | 220°C | |
---|---|---|---|
1時間 | ![]() |
![]() |
![]() |
2時間 | ![]() |
![]() |
![]() |
220°C 2時間の熱ストレス後、パターン化したTEGウェハ上に残渣は見られませんでした。
片面耐熱 SELFA™ HSシリーズ
特性:
- 耐熱性
- 耐薬品性
- 低残渣
リフロー、CVD、スパッタ等の熱工程時に、デバイスをサポート、保護します。

プロセス
-
ラミネート -
Pre UV -
BG
-
輸送 -
熱プロセス -
De-Taping
耐熱性テスト(ボイド)
ホットプレート評価
- サンプル
- 装備・条件
- メーカー:NINOS社
- モデル:ND-3H
- 温度:180°C〜250°C
- 時間:30〜180分
テスト結果
加熱後の剥離性
30分 | 60分 | 120分 | 180分 | |
---|---|---|---|---|
180°C | OK | OK | OK | OK |
220°C | OK | OK | OK | OK |
250°C | OK | OK | OK | OK |
- 上記データは測定値であり、保証値ではありません。
加熱後の接着強度

加熱後のウェハの状態

ホットプレート評価で熱処理中のボイド発生がなく、剥離時には残渣が最大220°C/180分まで発生しない事を確認しています。
片面自己剥離
SELFA™ MPシリーズ
特性:
- 軽剥離
めっき工程時のウェハ裏面保護用テープです。UV照射によりガスが発生することで、被着体から剥離することができます。

無電解めっき処理時のウェハ保護プロセス(無電解メッキ法)
-
テープラミネーション -
酸、アルカリめっき工程 -
UV照射 -
剥離後
めっき工程の強酸・強アルカリへの耐性に優れ、ウェハを保護した後は、低応力での剥離が可能です
ボイドと残渣の結果
チェックポイント:
- 軽剥離
Auめっき後のウェハ

ボイド、エッジの剥離がありません
有機残留物検査@8’ウェハ

SELFA™ MPは、剥離後に残渣が観察されませんでした